英語で広がる世界(旅・映画・歌)

ホワイトサンズ国立公園(後編)|夕暮れの砂丘と、家族を守る「命綱」だった英語

ホワイトサンズ国立公園の砂丘に、夕日が沈む瞬間(2019年5月)

遊び疲れて、砂丘に腰を下ろすころ、空が、魔法のように色を変え始めました。日中は、青空と白のコントラストだった砂丘が、夕暮れが近づくと、オレンジ色に染まります。日没の瞬間には、ピンクから、淡い紫へ。

※写真は、すべて筆者が撮影したものです。

この旅で、もう一つ、強く残っていることがあります。売店の店員さんから聞いた、「ここで、道に迷って、命を落とす人もいる」という話です。後編は、そのときに感じたことを書きます。

この記事の3つのポイント
  • 日没とともに、砂漠の気温は急に下がる。羽織るものが必要だった
  • 売店の店員さんに、道に迷って亡くなる人もいると聞いた。公式の安全情報にも、同じことが書かれていた
  • 家族を守る立場で、英語が「命綱」だと感じた。それが、今の英語学習の原点の一つになった

※これは私の体験談です。気温や安全の情報は、季節によって変わります。出かける前に、公式の情報で確認してください。

日が沈むと、何が変わるのか?

太陽が沈むと同時に、砂漠の気温は急に下がります。半袖では、肌寒くなります。サッと羽織れるパーカーを持っていって、正解でした。NPS の安全のページ(White Sands 安全情報、2026年11月3日に確認)にも、冬は、日中が暖かくても、日没後に、氷点下近くまで冷え込むことがある、と書かれています。

地平線に沈みかけた夕日
地平線に沈みかけた夕日
夕暮れの空が、青からピンクへ変わっていく
夕暮れの空が、青からピンクに変わっていく様子
砂の波の模様の先に、3人の人影
砂に波の模様がついた砂丘の上に立つ、3人の人影

冷たい風の中、刻一刻と変わる、自然のグラデーションを背景に、3人で写真を撮りました。シリコンバレーの駐在中でも、指折りの思い出の1枚です。

店員さんに聞いた話は、本当なのか?

ホワイトサンズは、見渡す限り、白い砂の世界です。売店の店員さんから、「ここで、道に迷って、命を落とす人もいる」と聞きました。公式のページを確かめると、同じことが書かれていました。

夕暮れの砂丘に、小さな人影
夕暮れの白い砂丘の上を歩く、小さな人影
私が店員さんに聞いたことNPS の公式ページ(2026年11月3日に確認)
道に迷って、亡くなる人がいる公園では、亡くなった人がいる。原因として、熱関連の病気、低体温症、脱水、道迷いが挙げられている
砂丘は、迷いやすい砂丘では、方向感覚を失いやすい。道がわからなくなったら、引き返す

日本の観光地で、同じ種類の注意を、これほど正面から言われた経験は、あまりありません。

英語は、なぜ「命綱」だと感じたのか?

レンタカーも、ホワイトサンズでの散策も、私が家族を守っている。一つ間違えば、命を落とすという緊張感が、半端ではありませんでした。広大な荒野で、頼れるのは、自分の英語だけでした。

  • 車を借りるとき、保険やトラブルの連絡先を確認した
  • 検問で、家族の身分を、きちんと説明した
  • 売店で、注意や、道具のアドバイスを聞いた

この旅で、英語は、「仕事で使うビジネス英語」から、「家族を新しい世界へ連れていき、安全を守るための力」に変わりました。

日本の自然と、何が違ったのか?

日本では、まず味わえない緊張でした。そこで、思ったことがあります。日本は、自然が、とても穏やかです。自然の、本当の怖さを、私たちは、知らないのかもしれない。そして、怖さを知らなければ、だからこその荘厳さ、美しさに、鈍感になっているのではないかとも思いました。

砂の上に咲いていた、ピンク色の小さな花
砂の上に咲いていた、ピンク色の小さな花
車の窓から見た、夕焼けの空
車の窓から見た、夕焼けの空とサイドミラー
夕焼けの下を走る道
夕焼けの下を走る道路

帰り道は、街灯が一つもない、真っ暗な道でした。慎重に運転しながら、静かな車内で、家族と、一日の興奮を語り合いました。

総集編:この旅で使った英語を、あらためて整理すると?

前編、中編、後編を通して、この旅では、場面ごとに、英語が必要でした。ここでは、旅のあとであらためて整えた英語を、まとめます。当時の私が口にした英語そのものではありません(つたない英語でした)。次の旅の、準備メモとして使ってください。

場面伝えたいことあらためて整えた英語
レンタカー満タン返却は必要かDo I need to return the car with a full tank?
レンタカー保険の範囲を知りたいWhat does the insurance cover?
レンタカートラブルのときの連絡先Who should I call if something goes wrong?
検問国籍と書類No, we are Japanese. Here are our passports and visas.
検問行き先We’re heading to White Sands for a family trip.
ビジターセンターソリを買いたいI’d like to buy a sled, please.
ビジターセンターワックスが必要かDo I need wax for this?
ビジターセンター言われたことDon’t forget the wax.
売店危険について聞くIs it true that people get lost out here?
売店夕方の備えを聞くWhat should we bring for the evening?

※検問の2行は、記憶をもとにした再現です。そのほかは、旅のあとで、場面に合わせて整えたものです。売店の2行は、聞いた内容を、あとから英語にしたものです。

こうして並べると、どれも、特別に難しい英語ではありません。短い英語を、必要な場面で、きちんと口に出せるかどうか。それだけが、家族の安心を左右しました。

この旅は、私の人生に、何を残したのか?

ホワイトサンズの帰り道、街灯のない暗い道を走りながら、私は、家族を乗せている責任を、あらためて感じていました。この家族を、無事に連れて帰る。それは、英語の点数とは、まったく別の種類の責任でした。

思えば、私が英語を学び直したのは、仕事のためでした。TOEIC の点数を上げ、会議で発言できるようになりたい。それは今も、大事な理由です。でも、この旅で、もう一つの理由に気づきました。英語は、世界へ出ていく家族を、守るための力でもあるということです。

そして、息子のことです。行けども行けども同じ景色に飽きながらも、ときどき、じっと地平線を見つめていた長男。いつか、自分でハンドルを握って、世界へ飛び出してくれたら、うれしい。そのとき、この子の隣に、英語という「命綱」を、持たせてやりたい。その思いが、私の背中を、今も押しています。

  • 英語は、点数のためだけの力ではない
  • 自分と、家族を守るための力である
  • そして、新しい世界を、自分の目で見るための力である

日が沈んだあとの、あの冷たい風。白い砂が、ピンクから、紫へと染まっていく空。「ここで、道に迷って、命を落とす人もいる」という一言。そのすべてを、私は、自分の英語で受け止めました。決して流暢ではなかったけれど、通じた。その実感が、今の私を支えています。

これから、何をしていくのか?

いま私は、社内で、朝活の英語活動を続けています。点数を競うためではなく、いつか誰かが、自分と、大切な人を守るために、英語を使えるように。そのための、小さな練習の場です。

そして、このブログでは、英語を通じて広がった世界を、これからも書いていきます。旅で撮った写真、映画、歌。TOEIC の学習記録。どれも、英語が、人生の幅を広げてくれたという、同じ一本の線の上にあります。

49歳の私は、まだ、途中です。英語も、旅も、息子の背中を見守る日々も。でも、だからこそ、書き続けたいと思います。この記事を読んだあなたが、次の旅の、最初の一歩を、踏み出してくれたら。その一歩が、人生の幅を、少しだけ広げてくれたら。それが、私にとって、いちばん、うれしいことです。

よくある質問

ホワイトサンズは、子連れでも行けますか?

私は、2歳の長男と一緒に行きました。ただ、気温、日差し、水の準備は、とても大切です。NPS の安全のページで、季節ごとの注意を、必ず確認してください。

旅で使う英語は、どうやって練習しますか?

私は、旅の前に、聞きたいことを、短い英語でメモしました。旅のあとで、あらためて整えた言い方を調べて、次の旅に備えます。

連載『ホワイトサンズ、家族のロードトリップ』
  1. 前編 エルパソから検問まで
  2. 中編 白い砂丘で、ソリ遊び
  3. 後編・総集編 夕暮れの砂丘と、命綱だった英語(この記事)

※この記事は、私の旅の体験をもとにしたものです。気温や安全の情報は変わることがあるので、出かける前に、公式の情報で確認してください。

私が何者で、どんな経緯で英語をやり直しているかは、運営者情報に書いています。